リヒテンシュタインは外交をスイスに委任?!

リヒテンシュタインが国連に加盟したのは1990年、スイスが加盟したのは2002年ーこれは国際連合広報センターの「国連加盟国加盟年順序」を参照した結果で、リヒテンシュタインが外交の基本原則をスイスに委任していないことを示しています。

リヒテンシュタインがスイスに委任しているのは外交の一部である領事事務、すなわち外国での自国民保護などで1919年10月に委任したのでした。リヒテンシュタインがミニ国家であるためスイスのベルンにしか公使館を置くことができず、窮余の一策でしたが、これが、「リヒテンシュタインはスイスに外交を委任した」と誤解されているのでしょう。

近年は、リヒテンシュタイン国内にスウェーデンなど他国が領事館を設置したり、他国が駐スイス大使に駐リヒテンシュタイン大使を兼任させるようになりましたので状況は違ってきています(日本は1996年)。もちろん、リヒテンシュタインもウィーンに大使館を置くなど公館の増設に努力しています。

さらにスイスとの違いを挙げますと 、EU対応も異なっていましたし、外交といえるかどうか疑問がありますが、1980年のモスクワオリンピック大会には同じ中立国であるスイスやオーストリアが参加したにもかかわらず、リヒテンシュタインは不参加でした。理由はいっさい明らかにされていませんが、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議してのことと言われています。中立を守り、かつ、自国の主張を曲げない筋を通す姿勢がうかがえます。